セルフケアを暮らしの習慣に③―湯舟の中でお口の体操
更新日:2020年12月13日
セルフケアを生活習慣に組み込む②からの続きです。
お風呂の中は、素のままの自分自身に戻るのに最適な空間です。
ここだけは誰にも邪魔されないで自由にふるまうことができるから。
ですから、湯舟の中で物思いに耽るもよし、好きな音楽を聴くもよし、歌うもよし。
「落ち着く」や「気持ちいい」をたくさん感じて、日頃の疲れやストレスを洗い流しましょう。
より自分のためのケアを意識するなら、浸かっている数分間でできることは他にもたくさんあります。
簡単にできるのは、浸かっていない部分、首から上のトレーニングとツボ押しマッサージです。
<口を動かすエクササイズ>
口を大きく開け閉めしたり、口の中と舌を動かすことは、顔の表情筋を刺激して血流を促す美容効果にとどまらず、オーラルフレイルを予防するのにも大いに役立ちます。
「フレイル」とは「虚弱」という意味で、2014年の日本老年医学会で提唱された言葉です。
加齢に伴い、健康状態から要介護の状態に移行する間の「虚弱状態」のことを指します。
予防意識をもって生活したり、何らかの補助を行うことで、フレイルに移行するのを遅らせることができます。
「オーラルフレイル」とは、噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることを指し、老化を知らせる早期のサインとも言われています。
予防するには、歯と口の健康を保つこと、口の中の清潔を保つことはもちろんですが、口腔機能の維持に努めることも大切なのです。
■口周辺の筋肉を強化する体操
①先ほどの呼吸法の流れから、ひと呼吸ずつ大げさに口を開けて「あ~」「い~」「う~」「え~」「お~」
「あ」はできるだけ大きな〇、「い」は横長で口角上げて、「う」はひょっとこ口の小さな〇で、「え」は受け口で口角上げて、「お」はムンクの叫びのように。
②上唇と歯茎の間に空気を入れ口を閉じて風船を作り、その風船を口腔内の壁と歯茎の間で右回り、左回りと何度か回す。
その後、同じコースを今度は舌の先で撫でるように右回り、左回りで回す。
③ヨガの「ライオンのポーズ」ほか。
鼻から息を吸って、「ハ~」と吐く息で思い切り舌を口から下に向けて出す(体の中の老廃物やいらない感情をすべて吐き出すイメージで)。両目は上に向ける。
その後は、軽く吐きながらとがらせた舌を上に向けて伸ばし、できるだけ鼻先に近づける。
頭を右に傾けて舌を右下に伸ばす(同時に左肩を下げる)。反対も。
<ツボ押しマッサージ>
お風呂の中で行うツボ押しとマッサージは、充分に温まった手を使うので、より効果的です。
首から上の緊張をゆるめたり、老廃物や余分な水分を流したりしてくれます。
あまり力を入れずに軽く押して、撫でるように流していくだけで充分。
簡単なやり方をご紹介します。
①目頭の部分のツボ(清明)を軽く中指で押してから、目の上の骨のラインを撫でながらコメカミへ、目の下を撫でながら目頭に戻ります。
②小鼻の横のくぼみ(迎香)を中指で軽く押して、頬骨の下を通ってコメカミへ。
③両手の親指と人差し指で顎の骨の中心部分を挟み、親指で小さな円を描きながら顎下のラインを耳の下までマッサージしていく。
耳の下の顎の噛み合わせ部分は口を開け閉めしながらマッサージ。
④頭頂部(百会)を両手の人差し指、中指で強めに何度か押す(百会は全身を整える万能のツボです)。
⑤耳たぶのマッサージ→上の部分を上に引っ張る。真ん中の部分を横に引っ張る。下の部分下に引っ張る。
⑥両手を胸の前で交差させ、首の耳下の部分から鎖骨に向けて、やさしく撫で下ろす。
⑦鎖骨の下を中心から肩に向けて小さな円を描くようにマッサージ。
⑧左右の脇の下を反対の手でマッサージ。この時に、しこりがないか脇の下から乳房全体のチェックもするとよいです。
私は、顔ヨガや簡単なストレッチも含め、その日の気分に合わせて、今日はこれをやってみるかといった感じでお風呂の中を楽しんでいるうちに、生活習慣になりました。
決してノルマにしないように。
無理な動きや長湯は禁物です。
適度な時間を守り、お湯の温度は熱すぎないように。
血圧の高い人は、心臓に負担がかからないよう、半身浴程度の深さで行ってください。
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