意外と知らない自律神経のお話①—ホメオスタシスについて

最終更新: 1月22日

「私、自律神経が少ないみたいなの」

以前、知人が自身の体調が思わしくないことをこのように表現しました。

よくよく聞いてみると、体調がよくなくて病院で診てもらった結果、医者に「自律神経失調症」と言われたとのこと。

「自律神経が足りないのね」と解釈しても仕方ないなぁと感じました。


正確に言えば「自律神経失調症」とは病名ではありません。

めまいや頭痛、動悸やしびれなどの不定愁訴に悩まされて受診してはみたものの、明確な病変ではない時に使われる表現です。

いきなりそう言われても、どう解釈していいかわかりにくい言葉ですよね。


ヨガを学ぶほどに、自律神経を整えることが心身の健康のためにいかに大切かを痛感しますが、「自律神経って何?」と問われて、きちんと説明できる人は少ないのではないかと思います。

このカテゴリーでは、セルフケアとは切っても切れないほどつながりの深い「自律神経」について学んだことを、なるべくわかりやすく、何回かに分けてお話ししたいと思います。


神経は大きく分けると「中枢神経」と「末梢神経」に分かれます。

前者は、脳と、腰まで伸びる脊髄の総称です。

この中枢神経から、体の末端まで張り巡らされている神経が後者である「末梢神経」です。


「末梢神経」は、さらに二つに分けられます。

「体性神経」と「自律神経」です。

痛いとか熱いとかの感覚を脳に伝える「知覚神経」と、手足とかを動かす指令を脳から伝える「運動神経」の二つが「体性神経」。私たちが自分の体を五感で感じたり、意識的に体を動かしたりできる神経です。

一方の「自律神経」は無意識に働いていて、私たちの意思で操作することのできない神経なのです。


例えば、暖かい部屋から寒い戸外に出たとき、私たちの体はどうなりますか? 

ブルブルっと震えませんか? これはシバリングといって、体を震わせることで体温の低下を防いでいるのです。

逆に、涼しい所から暑い所に出ると汗をかきます。これは、汗をかくことで体の熱を体外に逃して、体温が上がり過ぎないように調節しているのです。

私たちの体は刺激が加わると、その刺激に適応しようとして、体内のバランスを一定に保とうとします。


このように、私たちの意思とは関係なく、体内の環境を自動的にコントロールしてくれるのが自律神経です。

そして、自律神経の最も大事な働きが「ホメオシタシス(生体恒常性)」です。

へこんだボールは時間がたてば元に戻るように、私たちの体にも、例えストレスを受けて体調を崩したとしても、健康な状態に戻ろうとする働きがあり、これが「ホメオスタシス」。

体温調節のほかにも、血液の循環、心臓の拍動、消化吸収、整腸、排せつ、免疫、代謝、内分泌などのシステムは、すべて恒常性を維持するための仕組みであり、その調節には自律神経が深く関わっています。

  ところが、圧迫が強すぎたり長すぎたりすると、へこんだボールは元に戻らなくなるのと同じように、体もストレスが強すぎたり、長くさらされたりしていると、ホメオスタシスが働かなくなってしまいます。

現代人にめまいや頭痛、肩こり、冷え、イライラ、集中力の低下など、心や体にたくさんの不調を感じている人が多いのは、こういった体のホメオスタシスの乱れが生じているためです。


自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」という相反する二つの働きからなっています。この二つの働きのバランスが崩れてしまっていることが、ホメオスタシス―恒常性を維持する仕組みの乱れの原因なのです。

冒頭の「自律神経失調症」は、こういった二つの神経のバランスが崩れたことによる不健康な状態のことを表しています。


次回は、「交感神経」と「副交感神経」の二つの働きについてお話します。


<参考文献:「ヨーガ療法講義資料」及び「なぜこれは健康にいいのか?」小林弘幸(順天堂大学医学部教授)著・サンマーク出版他、自律神経の研究者である小林先生の著述を参考にしています>

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