感染症対策にも通じる—意外と知らない自律神経のお話③呼吸

最終更新: 5月1日

オリンピックやプロスポーツの大会などをテレビ観戦する機会が増えてきました。

勝敗を決める重要な場面や、演技を行う直前の選手の表情が画面にアップで映ります。

緊張した表情をしながらも、ほとんどの選手が大きく深呼吸しています。

なぜ、この場面で深呼吸をするのでしょう?


皆さん、ご存知だと思います。落ち着くためですよね。

これを自律神経とからませながら、少しだけ詳しくお話ししましょう。


交感神経は活動するとき、副交感神経は休んだり落ち着く時に優位になるという話を前回でしました。

そして、心身の健康には、両方がバランスよく機能することが重要ですが、現代の私たちの生活は緊張が多くて交感神経に傾きやすい傾向があります。


上の例のように、緊張をほどいて落ち着くために、スポーツ選手は深呼吸します。

深い呼吸は、誰もが場所や時間を選ばずに副交感神経を優位にできる最も即効性のある方法なのです。


自律神経は自分の意思ではコントロールできない働きで、私たちの生命活動を支えるものです。心臓の拍動や発汗、体温調節、内臓の働きなどですが、その中に呼吸も含まれています。

これは、無意識に行っている生命活動を維持するためのガス交換です。

それを意識的に深く行うことで、私たちの体の仕組みには、誰もが副交感神経を優位にして気持ちを落ち着かせたり、緊張をゆるめる回復力が備わっています。

自律神経の働きの中で、唯一意思によってコントロールできるのが呼吸の働きなのです。


現在(3/8)、新型コロナウィルス感染症の広がりが懸念されている状況で、自分も感染するのではないかという不安が蔓延しています。

特に傾向として、高齢者が重篤になっているケースが多いために、私たちはより一層心配になります。

ところが、こういった不安や社会の閉塞感によるストレスが、逆に免疫力を低めてしまうことにもなりうるのです。


こんな時は、自宅でも簡単にできる呼吸法でストレスを軽減し、自分の中にある安全基地に戻りましょう。

安全基地とは、身体感覚を研ぎ澄まして内側に集中し、深い呼吸を数分間繰り返すことで感じられる場所です。

「ここ」と決まっている場所ではありません。


①座りやすい座り方で楽に座りましょう。イスでもOKです。

座骨が座った面と接するところを感じ、背骨をスッと伸ばして、肩の力を抜いて瞼を閉じます。

②呼吸に意識を向けて、吸う息は鼻で、吐く息は鼻もしくは口から吐きます。

③少しずつ呼吸を深めていき、胸やお腹が風船のようにふくらむのを感じます。

吐く息では軽く腹圧をかけて、ふくらんだ風船がちぢむのを感じます。

④この呼吸に慣れてきたら、吸う息1に対して吐く息2の割合で、吐く息を長く吐き切るようにしましょう(カウントで3:6、あるいは4:8)。

心のなかで数えてもいいですし、何となくのカウントで「ふくらみ:ちぢみ」と心のなかで唱えてもいいです。

あるいは、どこか体の中の一点に意識を向けるのもいいですし、座面に接している安定したところに吐き下ろす感覚でもOKです。


数分~数十分間、深い呼吸を流した後、体の内側に何となくほっこりした感覚が感じられる場所……これが、その時のあなたの安全基地です。

落ち着かない時、気持ちがざわざわした時、緊張感が抜けない時は、外側のできごとに振り回されているかもしれません。

自分だけの内側の安心できる場所に戻ることで、少し楽になります。


<参考文献:「ヨーガ療法講義資料」及び「なぜこれは健康にいいのか?」小林弘幸(順天堂大学医学部教授)著・サンマーク出版他、自律神経の研究者である小林先生の著述を参考にしています>

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