私たちの進む道は?
- ミウラ
- 5月25日
- 読了時間: 4分
ゴールデンウイーク明けの3日間、穂高の森の中で過ごしました。
今回は、毎年夏に訪れる穂高養生園の研修施設で開催されるワークショップに参加するのが目的です。
養生園が里なら、研修施設は更に山を上った森の中にあります。
10年以上前から一度受けてみたいと思っていた相方先生ご夫妻による伝統的なヨーガの研修。新たな学びと自分の立ち位置の確認ができた旅になりました。
ここでの暮らしは、体に染みついている人工的な物や便利さを求める意識を洗い流してくれます。
別にサバイバルな生活をしたわけでもなく、個室のベッドで寝て、美味しいマクロビのお食事もいただき、森の中の露天風呂に入れる暮らしですが、そこには大自然のプラーナ(気)を浴びる代わりに、その自然の営みに決して逆らわない暮らしの哲学があります。
例えば、化学物質の入った生活用品は極力使わない、持ち込まない。必要以上のサービスはない(ベッドメーキング、食器洗い等は自分で)、トイレはコンポストのためペーパーと別処理にする等。カメムシ退治は大変でしたし、デジタルデトックスも始めは気になりましたが、なぜか人間は不思議と順応するものですね。
日頃の生活でため込んだ脳内の垢を流し、今もスッキリとした気分が続いています。
■伝統的な「ヨーガ」と欧米経由の「ヨガ」
11年前にヨーガ療法士の資格をとりました。
ヨーガ療法は心身症ほかさまざまな疾患の補完療法としての役割を担うものです。
伝統的なヨーガのアプローチは自律神経を整えること、自分に向き合い物事の捉え方を柔軟にしてストレスに対処できる生き方を身につけるうえでとても大切です。
ヨガの哲学、自分を振り返る作業や研修、宿題、実習、発表と3年以上かけて取った資格でしたが、実は一昨年の資格更新をせず、インド政府の公認資格は手離していました。年齢を考えると、資格に固執する必要性はないとの判断からです。
※ちなみに、「ヨーガ」か「ヨガ」か? どちらも使いますが、インド系の方は「ヨーガ」と言い、欧米系では「ヨガ」と言う人が多いです。エムズでは世間一般的に使われる方を優先して「ヨガ」にしています。
ヨガは世界的に広がっていますが、その源は紀元前のインドが始まりで約4~5千年の歴史があります。近代になって他国に広がり、今では欧米諸国から発信されるヨガがブームになり、世界の国々に広がっています。
よって、インド発祥の伝統的なヨーガと欧米経由のフィットネスに近い近代ヨガとは似て非なるものです。
どちらも学んできた私の感覚で説明すると、インド発祥のヨーガは人間が心身ともに健やかで幸せになる生き方を追求した哲学的な知恵を伝えるもので、それを健康のためのツールとしてフィットネスの要素を組み込み、ポーズをとることを主体にアレンジしたものが欧米由来のヨガと言えるでしょう。
ところが2015年を機に、発祥の地インドが自国の知的財産を守る必要性からヨーガを国際的に統一して普及させようとする機運が高まっています。ヨーガ改革とも言われるインド主導による国際的な仕組み作りが今進みつつあります。
■エムズは50代以上のセルフケアを軸に進む
さて、それを踏まえつつ、私が今回の研修に参加したのは、やはりインド発祥のヨーガの現状把握と実践の学びを得るためです。
お陰でわかったことがあります。
エムズ・セルフケアとしての自分の立ち位置の確認ができました。
何のためにヨガをするのか? 何を伝えるのか? これが大切で、インド発祥とアメリカ経由のどちらかを選ぶということではないということ。
大切なことは、自分自身と、同年代の皆さん共に、加齢による衰えがあるという現実にどう対処して生きていくか。
必要な対処法のポイントは、以下の3つに分けられます。
①筋力等、体の機能の衰え。
②免疫力や脳機能など生理学的な衰え。
③メンタル及びストレスマネージメント
どれもシンクロしていますが、①はフィットネスの要素が不可欠ですから、エムズではシニアピラティス、ストレッチーズ、バランスボール等のボールエクササイズが効率的で安全だと確信しています。加えて、これまでやってきたヨガ(足活ヨガ、背骨&骨盤調整ヨガなど)も安全を配慮して実践します。実は、筋力の強化は②の脳機能の活性化にも不可欠であることもわかっています。
②と③は、インド発祥の伝統的なヨーガの手法を取り入れつつ、これまでの中医学を踏まえた陰ヨガやリラクゼーションヨガでケアしていくことが必須でしょう。
今回研修で実践してみて、プラーナヤーマ(呼吸法)やバンダ(体の一部の筋肉を締める)のトレーニングを少し増やそうとも思っています。
加えて、ヨーガの哲学や現在エビデンスでわかってきた脳機能や栄養の話等はブログでカバーしていきます。
皆さま、緑豊かな場所を訪れたら大きく深呼吸しましょう。自然が発するプラーナ(気)を取り込むこともヨガの一部です。
これからもご参加いただける限り、ヨガを伝えていきたいと思います。
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