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執筆者の写真ミウラ

穂高でいのちの洗濯②

今年の穂高養生園では、朝のプログラムで瞑想会とヨガに参加しました。


早朝の瞑想会は十名余りの方が参加。経験者は少なく、初めてに近い方がほとんど。

座り方のコツや瞑想のやり方など簡単に説明して、すぐに30分の瞑想タイムに入ります。

私は10分、15分程度の瞑想は慣れています。しかし初めての方がいきなり30分は大丈夫か?と余計な心配をしましたが、皆さんがしっかりと30分集中して座れたのには驚きました。


終了後の感想で、多くの方が「場」に助けられたと話していました。

確かに、その空間にはとても心地よい「気」が流れ、輪になって座っている者たちの一体感のようなものがこの時間を支えていたように感じます。

私自身もマインドフルネスの瞑想が気持ちよくできました。




二日目の夜は、初めてのセラピー体験です。


今春に私が被った損傷は上半身の重みが直にかかる腰椎でしたから、思った以上にダメージが大きかったです。

負荷がかからないようにコルセットを数か月締めるということは、全身の真ん中部分を締めて上下のめぐりを悪くすることでもあります。また、損傷した2番の椎骨を治すために、他の関節や筋肉の動きに制限を加えていることでもあります。自発的な動きもかなり制限されていました。

その代償は大きく、体全体のバランスを大きく崩していると感じています。

マッサージや鍼灸の必要性を考えていて、今回の旅につながりました。


園が提供するセラピーのなかで、アロマセラピーやリフレクソロジーは他で経験済みでしたから、受けたことのないものに興味が涌き、トレガー®アプローチを受けることに。


トレガー®アプローチとは、1960年代にアメリカのミルトン・トレガーによって開発されたボディワーク。世界3大ボディワークの1つとも言われています。

特徴はロッキングやハウンシングと呼ばれる心地よく揺らす技法です。骨格や筋肉全体を繋げ、心と体が一体となる感覚を味わえるようです。


前もって細かく記入する問診があります。

体の不調はもちろんのこと、心の不調や抱えている問題なども記入できるようになっています。私の場合は、先に書いた腰椎損傷による不調を記しました。

施術を始める前の待ち時間に、すでにこのワークを体験した方が記すノートを発見。ざっと読んでみると、多種多様のメンタルも含めた問題を抱えた方々が楽になっていく様子が書かれていました。

施術する方はベテランでリピーターも多く、これを受けるために十数年にわたって通い続けている方もいるようです。このノートを読んだお陰で、始めから安心して受けられたのもよかったです。


最初に腰椎や股関節の可動具合をチエックして、仰向けでの施術から。

四肢の関節部分からやさしく揺らします。頭の部分は心地よいヘッドマッサージに。

ときどきで変わるBGMも、脳に休息を与えてくれます。

その後仰向け、横向きと体勢を変え、決して痛いような押しではない心地よいマッサージやストレッチを加えつつ、揺らしながら体の細部や中心部の緊張を緩めていくようなワークでした。

途中、意識が断片的に飛びつつも眠りに入るほどではなく、意識を保ちながらの90分。


施術後は、本来、あるべきところに身体がリセットされたことで、濁流が清流になって流れ出したような感覚。

最後に頭部を抱えてゆっくりと伸ばしてくれた瞬間に、縮まっていた頸椎が元に戻って頭の中のもやが晴れたのです。とても不思議な体験でした。


翌日、このボディワークの体験を記したノートを再び読んでみると、豊かな発想で表現してくれた文章がありました。

粉からフランスパンを作る過程に例えていました。


それぞれバラバラに散らばっている粉に水とイースト菌を加えて混ぜ合わせ、ねかせ、慣れた手つきで少しずつこねながら丸く成形します。そして熟成させ、最後に凸凹のある生地を角のないきれいな曲線に整え、楕円形のフランスパンの生地ができあがっていくような感じで、私の体が本来ある形に整えられたのでした。


うる覚えでアレンジしましたが、こんな感じの絶妙な表現でした。

受けてみるとまさにそんな感じで、その女性の感性に感動しました。


とは言いつつ、その1回のセラピーで私の体が一気に元通りにななるわけはありません。

時間がたてば腰の痛みは出ますが、この経験が大きなヒントをくれたのです。

「揺らすことでゆるめる」は筋肉の緊張をほどく基本。

セラピーの効果を実感したことで、人にやってもらわなくても、レッスンで使用するボールを使えば自分でも多少はゆるめられることに気づきました。

一日中起きて生活していると、やはり腰に負荷がかかり痛くなるので、ときどき横になって全体重を地面にゆだねます。

これまでは、そうやって休息をとっていました。

その際に、半分から3分の2くらい空気の入ったゆるゆるのボール2つを横に並べて仙骨や腰椎の下に入れ、体重の負荷がかかり過ぎないように膝を立てた足で負荷を調節しながら、小さく揺らぎます。

そうすると劇的に腰が楽になることに気づきました。


今は1日に2~3回、5~10分これを続けています。

また機会があれば経過をご報告しますが、読者の方で腰痛のある方は、よろしければお試しください。

もうひとつの効用として、この動きは必ず副交感神経が働き消化器管の動きが活性化しますから、消化吸収を助けたり、便秘の解消にも役に立つはずです。









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