腸活⑨—主食を見直してみよう!
更新日:2023年7月25日
相変わらず腸活生活を続けています。
これまでは腸活の要になる4大食品についてざっとご紹介してきました。
面白がって米麹を発酵させたり、4大食品を駆使した新しいレシピを考案したりと実験的な試みを楽しんでいます。
それについては、次回以降に私流の腸活レシピを提案してみようとは思っていますが、今回はもっと基本的な食習慣についてお話しします。
そもそも腸活がなぜ必要なのか?
加齢による病気や日常動作の衰えなど、様々な健康的な問題が出てくる高齢者にとって、いかに免疫力を上げて病原菌やウィルスと闘える力をつけるか、いかに自己治癒力を高めるかが健康寿命を長くするのにとても重要なのです。
その主たる舵取りをしているのが腸の働きだということが近年の研究でわかってきました。
先日、腸活研究の第一人者としてテレビでもお馴染みの内藤裕二先生(京都府立医科大学大学院生体免疫栄養学講座)による「ウェルビーイングのための腸活」セミナーを受講しました。
とても興味深いお話が満載でしたが、資料として提示される腸内細菌の種類や名前が難しすぎて、よくわからない部分がありました。ビフィズス菌だけでも100種類以上あるようです。
今や善玉菌や悪玉菌というざっくりとした言葉で語る時代ではなく、菌の種類も含め正式名称で腸内細菌叢を語る時代が目の前に来ているとのことでした。
とは言っても、先生のお話の総論はこれまで私が勉強したことを裏付けるような内容で、日本人が代々受け継いできた昔ながらの食習慣に間違いはないようです。
■整えておきたい食習慣5箇条■
以下は、私が数名の専門家の先生の本やセミナーを参考にまとめた食生活の5つの柱です。
①朝食は必ず食べる。
顎を使って噛んで食べるほうがよいようです。
時間がなければバナナとヨーグルト、オートミールがお勧めです(オートミールは次回のテーマ)。
朝食を外すと便通のベストタイミングを逃してしまいます。
②朝食後は必ずトイレで座り、排便リズムを作る。
出なくても5分座る習慣をつけることで、健康的な便通のリズムが作れます。
③空腹の時間を作る。
腸は食事が入っていない時、食後だいたい4時間が経過した頃が動きが活発になり腸のお掃除タイムに入ります。そこで殺菌性のある消化液が悪玉菌の処理をすると言われています。
絶え間なく食べていると、未消化の食べ物が腸内に停滞して悪玉菌を増やすことになります。
④夕食は遅くとも9時までには済ませる。
夜食は禁物。寝る前の3時間は食べ物を口にしない習慣をつけましょう。
⑤偏りなく、いろいろなものを食べる。
トータルで考えると、一日に摂る食品の種類を増やすことが腸活につながります。
以前、「一日30品目を食べるようにしよう」ということを唱えた先生がいましたが、今は否定されています。食べ過ぎにつながってしまったからです。
量は少なめでも品目はバランスよく、和食に使う食材や野菜・豆類を中心に腸活4大食品も取り入れて多種多様なものを食べましょう。
私自身はなるべく30品目食べるように心がけています。到達できない日もありますが、20品目は確実にクリアしています。
■雑穀、発芽玄米のすすめ■
腸活を食習慣として定着させる一番楽なやり方として、内藤先生は主食を見直すことを提案していました。
必ず毎日食べる主食に、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富な食材を取り入れれば確実に習慣化できるからです。
ご飯でしたら雑穀米を入れたり、パンでしたら全粒粉やライ麦入りの茶色いパンに変えてみる。白米は確かに美味しいですが、3日に1回の割合でもいいから健康年齢を伸ばすためにと勧めておられました。なるほどですね。
でんぷん質とタンパク質が主な栄養素である白米に比べ、雑穀は不溶性食物繊維やミネラル類、抗酸化作用があるポリフェノールが豊富です。
ここでは腸活に限定して食物繊維についてお話しします。
食物繊維は成人で1日に18g以上摂ることが推奨されています。
主食であるお米に1~2割程度の雑穀米を混ぜることで、ご飯1食分で食物繊維1g分が摂取できる計算になるようです。
また、発芽玄米も白米に比べ、8倍もの食物繊維が含まれています。
加えて、体内の余分なコレステロールや有害物質を排出する働き、ビタミンB群も豊富なため代謝を助ける働きもあります。
食感は玄米ほど硬くて食べにくくありませんが、白米に比べると少し硬いので、私は雑穀と同じように白米に2~3割混ぜて炊くことをお勧めします。
ここからはわが家の話です。
発芽玄米は十数年以上前から取り入れる努力をしました。が、家族でどうしても嫌だと言う者がいて難しい状況でした。
7~8年前たまたま近くにできた自然食レストランに行った時、黒米ご飯をいただきました。
発芽玄米や多種類の雑穀米入りご飯に比べると、黒米ご飯は色が赤くなるだけで白米ご飯の食感と変わりません。
これがきっかけとなって家族全員黒米ご飯が定着しています(赤いお茶碗の写真)。
白米1合につき小さじ1杯程度の黒米を入れて普通に炊きます。
腸活を始めて、8月に穂高養生園の雑穀米ご飯をいただいたことがきっかけになり、私流の雑穀ご飯を時々炊くようになりました。家族で食べる人は限られていますが。
上の雑穀米写真は、現在取り入れているものです。写真右上から時計回りに、発芽玄米、もち麦、黒米、そば米です。
白米と発芽玄米、3種の雑穀米の割合5:3:2で炊きます。
適度な歯ごたえがあり、よく噛んでいただきます。もち麦のプチプチした食感と、ほんのりとそばの香りがするのが気に入っています(青いお茶碗の写真)。
これは好き嫌いがありますからお勧めしませんが、黒米入りのご飯は普通に美味しいご飯ですよ。
<参考文献>
「自力で免疫力を上げる腸の教科書」(藤田鉱一郎著・宝島社)
「老化は腸で止められた」(光岡知足著・青春出版)
「新しい腸の教科書」(江田証・池田書店)
「婦人画報2022年11月号、腸活のキホン」(婦人画報社)
「腸活メソッド」(主婦の友社)
「腸内細菌叢とは」健康長寿ネット
「ウェルビーイングのための腸活」セミナー(内藤裕二・都府立医科大学大学院生体免疫栄養学講座)
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