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9月は「吸って、吐いて」の呼吸月間

更新日:2022年9月12日

1年ほど前、大学講師をしている知人に頼まれ、私立大学の学生さんにオンライン授業として「呼吸のワークショップ」を行ったことがあります。

対面クラスなら、ヨガの手法を取り入れていろいろなことができるのですが、オンラインで、しかも周りに人がいて上半身もそれほど動かせないネット環境の学生もいるとのことで、やれることは限られていました。

前半はパワーポイントを使って呼吸の大切さを理解してもらうレクチャー、後半で簡単に呼吸と共に首回りをほぐしながら、腹式と胸式の呼吸法をおこない、ストレスマネージメントとしての呼吸を体感してもらいました。


全員顔出し必須なので、皆さんの様子がわかったのですが、数人が寝てしまって動かなくなったのには驚きました(笑)。

数日後に、授業の感想が届きました。

「呼吸なんて当たり前のこと過ぎて考えたこともありませんでしたが、意識的に呼吸するだけでこんなにリラックスできることに感動しました」

大半が、このような内容でした。

コロナ禍のストレスもあり、若い方々も自分は疲れていたことに気づいたようでした。


ヨガの効用は多々ありますが、一番は自律神経を整えることができるということ。

その核になるのが、私は以下の3点だと思います。

●呼吸

●緊張と弛緩

●身体の感覚を感じる


普通に無意識に行っている呼吸と、自らが意識的に行う呼吸では、大きく異なります。

呼吸は、私たちが意図的に自律神経に働きかけて、コントロールすることができる唯一の方法なのです。


これらは、学生さんに提示したパネルの一部です。

ヨガの要素が詰まっていますね。



呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸があります。

胸式は、お腹を引き締め、吸う息で肋骨を広げて胸に空気を取り入れる呼吸。代謝を上げて体を活性化させることができます。


一方の腹式は、お腹をふくらませて大きく息を吸い、ゆっくりと吐きながらお腹をへこませる呼吸です。吐く息が長くなって副交感神経に働きかけることで、心身を鎮静化させることができます。

(私はよく、前者は「鳥かごの呼吸」、後者は「風船の呼吸」と言っています。)


よく、ヨガは腹式呼吸で、ピラティスは胸式呼吸だと言われますが、これは正確ではないように思います。

体幹を強化し、姿勢を整えるのが目的のピラテイスは、腹横筋を常に使ってお腹を引き締める分、胸を広げる呼吸が中心になるのは確かです。

しかし、ヨガが腹式呼吸ばかりかというと、そうではありません。

ポーズによっては、お腹を使い続けなければできない動きもたくさんあり、その時はしっかり胸で呼吸を続けます。自然に胸式と腹式を使い分けたり、両方を行ったりしているのです。

(ヨガでは、腹式と胸式を合わせた完全呼吸の練習もします。)


どちらも深く呼吸を流すことが大切だと感じています。


酸素を体に取り入れ、二酸化炭素を排出するという呼吸の大きな役割の中心を担う臓器は肺です。

でも、肺は自らで膨らんだり、へこんだりしているのではありません。

周りの筋肉の収縮によって、生きるためのガス交換は行われているのです。


呼吸活動を担っている筋肉を呼吸筋と言います。

主な呼吸筋は、肋間筋と横隔膜です。

無意識的に行われている呼吸活動は、外肋間筋と横隔膜によって行われています。

意識的に行う深い呼吸になると、その周りにある様々な呼吸補助筋を使わなくてはできません。

いくつかの補助筋をざっと挙げてみましょう。

胸鎖乳突筋、脊柱起立筋、大胸筋、小胸筋、肩甲挙筋、内肋間筋、僧帽筋、菱形筋、前鋸筋、腹筋群、腰方形筋など…。


さて、これらの呼吸を助ける筋肉が緊張していたり、硬くなっていたら、呼吸はどうなるのでしょうか?

猫背や巻き肩の人は、鎖骨周りの筋肉が硬くなっていて胸が開かず、肺の上部に呼吸が入りません。

背中が緊張して硬くなっていたり、肩甲骨が固まっている人は、背中側に呼吸を送り込むことが難しくなっています。

また、お腹を引き締める力が弱くなると、長く吐くことができません。

横隔膜は吸う息と吐く息で4~6センチ上がったり下がったりしますが、その動きが小さくなります。

呼吸機能が低下すると、脳への酸素供給も低下します。

体を動かすことや思考力、判断力、感情のコントロール力すべてが衰え、免疫力も落ちます。


高齢者は加齢によって体の組織が硬くなり、呼吸が浅くなると言われます。

肺の中の組織が硬くなるのは防げませんが、姿勢を正し、呼吸を助けている筋肉をしなやかに保つことができれば、深い呼吸はじゅうぶん流せます。


9月は、オンラインクラスのテーマを「呼吸を深める―生きる力を養うために」としています。

1回目は呼吸筋、呼吸補助筋のマッサージ等ゆるめる動きを、2回目は肺の経絡を刺激するヨガを行いました。

コミュニティクラスのシニアヨガでも、呼吸月間を意識してマッサージや陰ヨガを行いました。

来週のシニアピラティスも、しっかりと深い呼吸ができるように、呼吸補助筋を広げるためのエクササイズを行う予定にしています。

時間のある方は、よかったらご参加ください。


普段からゆったりとした深い呼吸ができると長生きできるとも言われています。

これからも、気道が通り、深くて気持ちよい呼吸ができるようになることを目指しています。







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