Yさんとのお別れ
更新日:2020年11月29日
2週間ほど前のことです。
しばらくお顔を見てない会員Yさんの娘さんから1通のメールが届きました。
体幹のクラスに参加したいとの予約メールでした。
コロナ禍で3月から6月下旬までのお休み期間もあり、今年になって、まだお会いしていない会員さんがたくさんいらっしゃいます。
皆さんどうされているかなと気になる方々や、スケジュールがわからなくなっていると思われる方々にメルマガやスケジュール表などを送ったりしましたので、それを見てのご連絡だったと思われました。
当日、開始時間直前にとても若いお嬢さんが入ってきたので、すぐにYさんの娘さんだとわかりました。
Yさんに持病があったのを知っていましたから「お母さんはお元気?」と尋ねたところ、まったく予想だにしていない言葉が返ってきました。
「母は昨年12月に亡くなりました」
一瞬、時間が止まりました。「えっ!?」その後の言葉が出てきませんでした。
そして、娘さんは「ずっとここに来たかったんです」と、付け加えました。
「このことを伝えに来てくれたの?」と、私。
「はい」とうなずきました。
「知らなくてごめんなさいね。知らせに来てくれてありがとう」と少しやり取りしつつ、動揺しながらも時間になったのでレッスンを始めました。
体幹クラスですから、じんわりとお腹に効く内容です。私を含め4名で、ちょいきついエクササイズを1時間ちょっと頑張りました。
最後のご挨拶の際に、皆で胸に手を合わせ、Yさんのご冥福をお祈りしてレッスンを終えました。
終了後、4名でそのまま座り込み、しばらくの間、娘さんと一緒にYさんのお話をさせていただきました。まだ52歳の若さだったと知りました。
帰宅してから記録を調べてみると、Yさんは2016年夏に入会。月に1度あるいは2か月に1度くらいのペースで参加されていましたが、2017年の11月を最後に1年ほどお休みでした。
どうされたか気になっていたところ、翌年11月にいらした時に、胸の難病を患い、手術後はしばらく療養していたとのこと。
まだ胸に痛みはあるけれど、少しずつ体調を整えていきたいとの思いでレッスンを再開されました。
その後は何度かいらしてくださり、昨年(2019年)1月のヨガ始めのシニアヨガクラスと新年ランチ会にもご参加いただき、すぐ近くのイタリアンの店で楽しい時間を共に過ごしました。
昨年の7月から9月までは割と頻繁に参加され、それも体幹エクササイズのクラスや下半身強化のヨガクラスにも参加されているので、万全ではないことは承知していましたが、少しずつ回復して頑張っているように感じていました。9月24日の背骨&骨盤調整ヨガのクラスが最後でした。
細やかな気配りのできる優しいお人柄の方でした。
エムズ・セルフケアは、主に中高年以上の方が自分の心と体をケアしていくためのコミュニティとして設立しました。
ですから必然的に高齢の方が多いので、持病があったり、故障して治療中の会員さんが多いです。その中でも、例えば難病を抱えていたり、「手術をするためにしばらくお休みします」と言って、そのまま音沙汰がないと気になります。その後どうされているかと思う方は今も数名いらっしゃいます。
かつてはYさんもその中の一人でしたが、今年はコロナ禍でもあり、おそらく大事をとっているのだろうと思っていました。
訃報を知り、とてもとても残念です。
私よりも10歳以上年下で、まだまだこれから第2の人生を謳歌できるはずでした。
でもね、私は感じたのです。
今の世の中、知らせるだけならメールで簡単にできます。
わざわざお母さんが通っていたクラスに予約を入れて、知らせるためにレッスンを受けにきてくださった娘さんは何て素晴らしいのでしょう。
まだ学生さんなのに「母がお世話になりました」と丁寧にお礼を言って帰っていかれました。
私にYさんとのお別れの機会を与えてくださり、どうもありがとう。
ご自身も母親が頑張っていた場所をたどることができて、よかったのではないかと感じています。
こんなにステキなお嬢さんに育ったのだから安心してねと、私は天国のYさんに伝えたいです。来年から社会人。心の中に生きている母親と共に、人生を切り開いていける娘さんだと思いました。
何の力にもなれなかったので、私自身とても無念で悲しいですが、闘病しながらも通ってくださり交流できたことに感謝しています。
ヨガは自律神経を整え、最後のシャバ・アーサナで解放感が味わえます。
少しでも穏やかで心地よい感覚に浸ることができたと信じて、Yさんのご冥福をお祈りしたいと思います。
このブログは娘さんの了解をいただき、書かせていただきました。
会員の皆さまだけでなく、ご家族の皆さまにとっても、心身の疲れを癒す場所になれるようなコミュニティを目指していけたらと思っています。
Yさんのお嬢さんがブログを見てくださり、連絡をくださいました。
「母のことを書いてくださり、ありがとうございます。
こんなに素敵な先生やコメントくださる会員の方々に出会えて、母も幸せだっただろうなと、心がとても温かい気持ちになりました。」
他にも、またレッスンに来て下さること、私たちに向けてお身体を大切にとの温かい言葉もいただきました。
コメントくださった皆さま、ブログを読んでくださった皆さまに感謝いたします。
読者の会員さんから以下のメールをいただきました。了解を得て、代わりにご紹介します。 ブログ拝読しました。 勝手な思いですが、52歳は、娘、息子と同世代、わたしはYさんの親の世代、ご両親やご兄弟のお気持ちやら、ご本人は親や子どもより先に逝く心残りの思いがあったのだろうやら、娘さんの思いはいかばかりか、、やらあれこれ思い巡らせました。 自分の思い通りに人生はいかないことは、十分、経験している年になっていますが、それでも悲しい、寂しい、辛いはすぐには回復できないものでもあります。 残されたご家族がお元気でありますように、、としばらく、 願いました。
この回のレッスンに参加させて頂いた者です。 あの時の事は私にも鮮明な印象を残しました。若いお嬢さんがいらした時は「?」と思いました。先生とのやり取りで事情を知り、一同言葉を失ったのも先生のおっしゃる通りです。しっかりとした、感じの良いお嬢さんで、お母様のお人柄を彷彿とさせる方でした。 私は孫を亡くしているので命の長短に意味があるとは思っていません。 この世の中に生を受けてその命を輝かせる事にこそ価値があると考える様になりました。 命は授かり物ではなくて預かり物です。お返しする時には有無を言わさずお返ししなければなりません。 その時まで生かされている事に感謝してなんらか自分の使命を全うしたいと思うようになりました。 大切な人の魂とは心の中で常に語り合えるものです。 きっといつも良い方向に導いてくれるものと信じます。Yさんのお嬢さんもこれからの人生をお母様の分まで充分に輝かせて頂けますよう心よりお祈りしています。