おうちでselfcare(新型コロナウィルス対策)
2020年4月7日に、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐための緊急事態宣言が出ました。
これによって1か月間は外出を避け、不要不急の場合を除き、できうる限り家での自粛生活をすることになります。
これまでに経験したことのない事態に出くわすと、この問題をどうとらえ、どう対応したらいいのか? 不安や迷いが付きまといませんか?
そんなことを感じている時に、あまり熱心に参加していないのですが、たまたま見たfacebookから、下のような画像が届きました(下図)。
もともとはカール・ジョンソンさんという方が作成した画像ですが、わかりやすいからとヨガの方が日本語訳してシェアし、それが拡散されたものです。
とてもよくできているので、ここで引用させていただきました。
covid-19とは、WHOが定めた新型コロナウィルスの名称です。
このような状況の今、私はどんな自分でありたいかを考えるときの助けになる図です。
始めの「恐れのゾーン」から、右に行くにしたがって学びに変わり、「成長のゾーン」へ。
気持ちが落ち着いて「学びのゾーン」に移行しつつ、またまた「恐れのゾーン」に戻ったりを繰り返すこともあります。
行ったり来たりしながらも、成長のゾーンの項目に目を向け、安心できる自分、前を向く自分を感じられたらいいなと思います。
ヨガを経験している方も未経験な方もできるシンプルなセルフケアをご紹介します。
呼吸を続けながら、安全に行える動きばかりです。
シニアの方や床座りが苦手な方でも、椅子に座ってできるものがたくさんあります。
どれもシンプルな動きですから、できるだけ毎日5分からでも続けることが免疫力を高めることにつながります。
足裏と足指のマッサージ
地に足のついた生活をするために、まずは下半身から。
体のめぐりが悪くなると、末端まで血流が届きにくくなっています。
冷え性の方は尚さらのこと、常に足の裏に刺激を与えて、足の身体感覚を取り戻しましょう。
床に座るか、イスに腰掛けます。
①左足から。足の裏全体をグーの手でまんべんなく叩く。
②親指と人差し指を両手で横に引き離す(10秒)→縦に何度か交差させる
これを次は人差し指と中指で。順に小指まで。
③左足指の間に右手指を入れて、握手(始めは痛いのでほどほどに。何度か続けると次第に根元まで入れられるようになります)。ゆっくり5呼吸。吐く息と同時にグーで握り合う。
④足首をゆっくりと丁寧に10回まわし、反対まわしでも10回。
⑤右足も同じように。
足指じゃんけんグー、チョキ、パー
膝関節と股関節ほぐし
床に長座で座るか、椅子に座ります。
①片膝の曲げ伸ばし(吸う息で膝を曲げ、吐く息で伸ばす)。手でサポートしても良い。
反対も同じように。
②片膝を両手で抱きかかえ、軽く上下左右にゆっくりとゆらします。
③②の膝を外側に倒して、片手は膝、もう一方の手はかかとを持って、膝で円を描くように股関節を回します。
股関節の滑り具合を探りながら、始めは小さな円から徐々に大きな円を描けるように(吸って吐いてで1回転の呼吸で5回以上)。反対回しも。
④反対の脚も同じように。
肩甲骨を動かして上半身を温める
骨盤を立てて背筋を伸ばすのに最も楽なやり方で座ります(椅子にすわる、もしくは胡坐座、正座など。椅子に座る場合は、背もたれに寄りかからないように浅く座る。床に座る場合はお尻の下に折り畳んだブランケットやクッションを敷いてもよい)。
両手は太ももの上に軽く置き、目を閉じます(不安な方は半分目をつむるのでもよい)。
吸う息でお腹を柔らかくして軽くふくらませ、吐く息で背骨を伸ばしてお腹を少しへこます呼吸を何度か繰り返します。
ここから、呼吸とともにゆっくりと肩甲骨を動かします。
①吸う息で両肩を上げて耳に近づけ、吐く息で下ろします(下ろした時に両腕の力が抜けるのを感じながら)。5回以上。
②両肘を軽く曲げながら、吸う息で手の平を上にして後ろに引き(肩甲骨を軽く寄せるように)、吐く息で手のひらを返すように両手を体の前に動かして肘を伸ばします。再び吸う息で両肘を後ろにと続ける。5回以上。
③両手の指先を両肩に添え、肘で大きな円を描くようにして回転させる。吸う息で両肘を後ろから回して高く上げ(肩甲骨を中心に寄せる)、吐く息で前に(両肘を近づけるように)で1回転。5呼吸回したら、反対回しも。
最後に、両手を太ももの上にのせたら、肩から腕全体の力が緩み、背中が温かくなっている感覚を感じます。
背骨ほぐしと脇伸ばしで呼吸を深めよう
背中が温まったら、次は背骨をほぐし、肋骨を広げて深い呼吸ができるように上半身を整えましょう。
①両手のひらで太ももの付け根部分を上から軽く押さえ、吸う息で、まっすぐの背骨を斜め前に引っ張り出すようにして、吐く息で軽く前傾させます(骨盤前傾)。再び吸う息で背骨をまっすぐにして続けます。3呼吸。
②両手を胸の前で組み、吸う息で背骨を伸ばし、吐く息で腰と背中を丸くして、組んだ手を前に(骨盤後傾)。背中と手を引っ張り合うようにして背中を広げます(首の後ろも丸くして伸ばします)。再び吸う息で背骨を伸ばして続けます。3呼吸。
③ ①と②を合わせます。
吸う息で両手をももの付け根を押さえて骨盤前傾させ(背骨を引っ張り出し腰を軽く反らす)、吐く息で②と同じ動きで骨盤後傾。両手を組んで首、背中、腰を丸めます。3~5呼吸
④再び背骨をまっすぐ前に引き出し、両手を体の前について骨盤を前傾させます(椅子座りの人は座面の両端を押さえて前傾:写真左)。そのまま両手を45度左に移動すると右の腰から脇が伸びますから、さらに右手を左斜め前方遠くに伸ばします(右のお尻は浮かない程度に伸ばし、右の背中がより広がるように3呼吸)。
椅子座りの人は、状態をまっすぐ前に引き出したら、左手を座面に残して上体を左にねじって右手を左斜め前遠くに伸ばします(右座骨と右手で引っ張り合いながら右の背中で3呼吸)。写真中央と右を参照(皆さんから見ると鏡の向きになっています)。
⑤ ④の姿勢からゆっくり状態を起こしたら、左手は床もしくは座面左につき、頭を左に委ね首の力をぬいて、右手はそのまま左上に伸ばし、左に側屈し右脇を広げるように3~5呼吸(同時に右肘で円を描くように右肩を回してもよい)。
⑥吸う息でゆっくり体を起こしたら、吐く息で両手を太ももの上にのせて、軽く目を閉じます。
数呼吸休んだら、④⑤の反対側(右に45度移動して左脇を伸ばす)を同じように行います。
⑦最後に目を閉じて頭をゆっくり3回転ずつ回してから、呼吸を感じましょう。
肋骨が広がって呼吸が深く、楽になっていることに気づくかもしれません。
知らず知らず浅くなっている呼吸を深くすることで、気持ちは落ち着くと同時に免疫力もアップします。
ヨーガ療法でじんわりとアイソメトリック運動
胸が広がり、呼吸が深くできるようになったので、今度はしっかりと呼吸を流しながら安全なやり方で免疫力と筋力アップをしていきましょう。
ここでは、日本ヨーガ療法学会による「新型コロナウィルス(COVID19)感染症予防のためのヨーガ療法実習プログラム」を一部アレンジを加えてご紹介します。
アイソメトリック運動と言って、自分の持っている力の3分の1から2分の1の筋力を使って押し合います。深くゆっくりと吐く息で筋肉に負荷をかけ続けます。
ポイントは、筋力を使う時とゆるめる時を意識すること。それにより、副交感神経を優位にしてナチュラルキラー細胞を活性化することで、免疫力が高まります。
慣れてきたら、目を閉じるか半眼で。
吐く息をしっかり意識できるように声を出しますが、不都合なら心の中で声を出すやり方でOKです。
椅子に少し浅めに座ります。
両足、両膝は腰幅にあけ、軽くお腹を引き締めて背筋を伸ばします。
①吸う息で両手を腰の後ろで組み、吐く息「アー」で肘を伸ばして胸を広げます。次の吸う息で力をゆるめ、「アー」で太ももの上に両手をゆっくり戻します。これを1セットにして、4セット。3セット目以降は無音でOK. 5呼吸自然な呼吸で体の中の感覚を感じます。
②吸う息で右ひざを両手で抱え、吐く息「ウー」で手と脚で押し合います(この時、上げた足のつま先の指をパーで広げる)。次の吸う息でゆるめ、吐く息「ウー」で右足を床に下ろします。反対の左足も同じように。これで1セットで全部で3セット。5呼吸自然呼吸で内観。
③柔らかいボールかクッションもしくは小さく折り畳んだブランケットを両ももの間に挟みます。
吸う息で胸を広げ、吐く息「ンー」で挟んだものを両ももで押します。太もも内側とお腹や骨盤内の筋肉を収縮させます。吸ってゆるめたら続けて5呼吸。終わったら力をゆるめ、自然呼吸5呼吸で、使った筋肉がゆるむのを内観。
④吸う息で組んだ手を後頭部に当て、吐く息「アー」で手と頭を押し合います。次の吸う息で手をゆるめ、「アー」でゆっくり両手をももに下ろします。これを1セットとして4セット(3セット目からは無音で)。5呼吸自然呼吸で内観。
⑤最後はアイソメトリックのねじりのポーズ。
骨盤を立てて背筋を伸ばした姿勢を保ちつつ、軽く上体を右にねじり、左手は右ひざ外側、右手は右側頭部に当てます。
吸う息で胸を広げ、吐く息「ウー」で左手と右膝、右手と頭を同時に軽く押し合います。
次の吸う息でゆるめ、吐く息「ウー」で上体は正面に、両手はもも上にゆっくり戻ります。
反対側も同じように。
これを1セットとして3セット。5呼吸自然呼吸で内観。
⑥最後に目を閉じて呼吸を流します。
手はお腹、もしくはもも上、真ん中で重ねてもOK。一番落ち着けるやり方で。
吸う息でお腹をゆるめて軽く膨らませ、吐く息で腹圧を使って軽くへこませます。
慣れてきたら、なるべく吸う息と吐く息が1:2になるように、心の中でカウントしながら行いましょう(3:6、4:8、5:10)。苦しいようなら同じカウントから始めて、少しずつ吐く息を長くするやり方でもいいです。
無理せずに数分行い、穏やかな気持ち、すっきりした感じでリセットできたら目を開きましょう。
最後の呼吸は、仰向けでシャバ・アーサナのような姿勢でもいいです。
体を大地に委ねると、支えられているような安心感を取り戻すことができます。
アイソメトリックの動きは自分の力を使って負荷をかけるので、怪我をすることなく、辛い思いをすることなくどこでもできて、しかも効果のある運動です。
心と体を同時に整えることができますので、動きを覚えて呼吸とともに繰り返し行いましょう。
おやすみ前と目覚めのために お布団の中でのほぐしヨガ
寝る前でも、目覚めでも、どちらでも良いです。
一部を除けば、掛布団を掛けたままでもできる動きです。
寝る前なら、一日の疲れ、緊張やこりをほぐし、体から余計な力を抜いてあげます。
目覚めた後なら、眠っている体を目覚めさせ、活性化させるために行います。
どちらも気持ちよい呼吸を意識して。
吐く息は口から「ハ~」とため息のように吐いても気持ちいいです(クレンジングブレス)。
①両足開いて、足の裏でバイバイをするように股関節からゆらゆら揺らします。
腰を右に左にゆらします。
頭を右に左にゆっくりと揺らします。
②全身のストレッチ
両手はバンザイ。吸う息で全身を上下に気持ちよく伸ばして、口から一気に吐いてゆるめます。
③バナナの形のストレッチ
両足を閉じて右側10センチに移動。両手はバンザイのまま、右手で左手首をもって右側遠くに引っ張る(上から見たら三日月のような形)。頭の先にスペースがない場合は、肘を曲げて左肘を持ってもよい。
左の脇をじゅうぶん伸ばしながら数呼吸。(反対も)
④両膝を立て、右膝を両手で抱え、吐く息でじんわりと右胸に近づけます(大丈夫な人は、ゆっくりと左足を伸ばす)。
そのまま右膝を右手で持ち、左足は伸ばして、ゆっくりと手の届く範囲で右膝を回します。股関節のソケット部分をほぐし、、老廃物を流します(反対回しも)。
(反対の左脚も同じように)
⑤両膝を軽く立て、右太ももの裏を両手で持って右足裏のかかとを天井に押し出す。吐く息で手前に引いて、足の後ろ側の部分(腰、もも裏、ふくらはぎ)を伸ばします。3呼吸。
その流れから、次に右足外くるぶしを左膝に乗せ、右膝は開きます。両手で左もも裏を抱えて左太ももを胸に近づける(この時、右手は逆4の字になった穴の中を通して左ももを持つ)。
右のお尻やももの外側、腰回りの筋肉のストレッチを感じながら、ゆったり3呼吸。下半身に滞りやすい血流やリンパの流れを促します。
(反対の左足も同じように)
⑥両膝を両手で抱え、吐く息でじんわりと胸に近づけます。
次は、前腕か両肘どうしを抱えるようにして、さらに体をボールのように小さくします。頭をゆっくり持ち上げ、おでこを膝に近づけ、ボールを膨らますように大きく深呼吸。終わったら両手をほどいて大の字に。全身の力が抜ける感覚を味わいましょう。
⑦うつ伏せになって背屈します。
両足は腰幅より広めにとり、肩の下の肘がくるようにして上体を引き上げます。背骨を斜め上に引き上げるような意識で、体の前側(お腹から胸にかけて)を伸ばします。首の後ろ側もまっすぐ伸ばします。
腰が痛い人は無理せず、両手を重ね、その上におでこを乗せて数呼吸。
⑧両手を胸の横について、ゆっくりお尻を持ち上げて体を起こし、そのままお尻を後ろに引き、両膝を軽く開いてチャイルドポーズ。腰を丸くして気持ちよく伸ばし、重ねた手におでこを預けます。
⑨最後は仰向けに。両足は腰幅より広くして両膝を立て、ゆっくり右側に倒し、やさしいねじりで力を抜きましょう(顔は天井か左に向けて)。数呼吸。(反対の左側も同じように)
両手両足を天井の方へ上げて、軽く手首と足首をゆらしてから力を抜いて下ろします。
●就寝前の方は、そのままシャバ・アーサナのように力を抜き、瞼を閉じて体の内側の部分がゆるんでいく感覚を感じながら眠りにつきましょう。
●起床する方は、ゆっくりとどちらかに寝返りをうって起き上がります。
⑥のガス抜きのポーズを再び行い、前後に転がりながら起きても、⑦⑧と⑨を逆にして⑧のチャイルドポーズから起きてもいいです。
最後に布団の上に座り、背骨を伸ばして、目を軽く閉じて深呼吸してから1日をスタートさせましょう。
時間がない時は省略してもよし、好きな動きを加えてもOKです。
就寝前は順番を変えて、⑧のチャイルドポーズから始め、⑦で背屈してから仰向けになり、①から始めて眠りにもっていくやり方もあります。
自分なりのルーティーンを作って、疲れや緊張をため込まないようなケアをしていきましょう 。