腸活その後—②腸の免疫機能について
- ミウラ
- 4月27日
- 読了時間: 5分
更新日:4月28日
私たちは腸内で500~1000種類の腸内細菌(微生物)を育てています。重さにすると何と1~3㎏にもなるとか?
これまでは、腸は食べ物を消化吸収して排泄するための器官と言われてきましたが、最近ではそのほかにもさまざまな役割を果たしていることがわかっています。
なかでもとても重要なのが、外敵からから体を守る免疫機能です。
人間の体の中を頭で思い描いてみてください。
消化管は、口から食べ物が入り、肛門を通って排出されるまで1本のホースでつながった構造をしています。腸内を「おなかの中」といいますが、このホース内は言わば「内なる外」であり、食べ物と一緒にやってくる細菌やウイルスなどのさまざまな病原体と常に接する場所でもあります。
腸は、このホース内で体にとって良くないものを体内に侵入させないようにする役割を担っているのです。人には外敵の侵入を感知して闘い、排除する働きが備わっていますが、その働きに関わる免疫細胞の半分以上が腸に集まっているからです。
健康な腸内では多種多様な菌が互いに助け合って有益な成分を作り出し、有害な菌が増えないようにしています。特に膨大な数の腸内細菌が住むのが大腸です。これらの多種多様な菌がまるでお花畑(フローラ)のように腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を作っているのを“腸内フローラ”と呼ぶと、かつての腸活ブログでもご紹介しました(2023年腸活④—4大食品とわが家のとっておき腸活レシピ10/25参照)。
■腸もれ—リーキーガット症候群とは
私たちの腸管には腸内細菌や未消化な栄養素、ウィルスなど、体に有害なものを体内に入れないようにする「腸管上皮バリア」というバリアシステムが張りめぐらされています。これを構成するのはシート状に層を成している腸管上皮細胞です。この上皮細胞は細胞同士が接着装置のように結合し、ネバネバした粘液状の層で覆われていて、悪い菌が体内への侵入するのを防いでいます。
しかし何らかの要因でこの結合が緩むと、そのすき間からバクテリアや毒素、ウィルス、腸内の異物などが漏れ出てしまい、それが血液を介して全身のさまざまなところで炎症を引き起こすメカニズムが最近になって解明されつつあります。
これがいわゆる「腸もれ」で「リーキーガット症候群」とも言われています。
はっきりと解明されているわけではありませんが、腸もれが引き起こす症状としては筋肉痛・関節痛、胸やけ、腹痛、お腹の張り・消化不良、不眠症、記憶力低下、集中力低下、不安感、疲労感、下痢・便秘、口臭、神経過敏、じんましん、喘息、アトピー性皮膚炎、過敏性腸症候群等々。
それが常態化すると、何でも反応してアレルギーや自己免疫疾患を起こすことも。
さらに、がん細胞の増殖や自律神経の不調、高齢者の抱えるさまざまな問題(糖尿病、動脈硬化、肥満、骨粗しょう症、認知症予防など)にも腸内環境は関わっていると言われています。
■腸もれを防ぐには?
腸もれの原因と言われているのは、ストレスやライフスタイルの乱れによる腸内環境の悪化です。細胞が傷つき、腸内上皮バリアの働きが低下するからです。
…というわけで、私がずっと腸活を続ける理由の一部をお話ししました。
かつてのブログのおさらいになりますが、それを防ぐためにできれば摂り入れたい4大食品は以下の通りですので、詳しく知りたい方は2023年10月のブログにさかのぼってご一読ください。
①発酵食品
②食物繊維
③オリゴ糖を含んだ食品
④オメガ3系脂肪酸(EPA,DHA)
三大栄養素は、炭水化物とタンパク質と脂質ですね。
炭水化物には糖質と食物繊維が含まれます。この食物繊維が腸内細菌のエサになって私たちの腸内を整えてくれます。
とりわけ水溶性食物繊維(ネバネバ系の食品など)は善玉菌のエサとなって善玉菌が「短鎖脂肪酸」という有機酸を分泌するのを助けます。この「短鎖脂肪酸」は強力な抗体になって免疫機能を高める鍵と言えます。これだけでも努めて摂取するとよいでしょう。
最近「グルテンフリー」という言葉を耳にしませんか?
グルテンフリーとは、グルテンを含む食品を摂らない、または一定量を抑えた食生活のことです。
グルテンは小麦タンパク質に含まれていて、食品の中で腸粘膜を傷つける原因として知られています。このグルテンが腸の中で分解されてできる“グリアジン”という成分が腸管上皮細胞に結合すると、細胞同士をつなぐ力が弱まってしまうことが研究で明らかになっています。
パン、うどん、ラーメン、パスタ、ケーキ他もろもろの焼き菓子、料理のつなぎやとろみなど、小麦粉は私たちの食生活に欠かせないほど定着しているので完全に断ち切ることはできませんが、体調に問題があるときには食生活を見直し、小麦粉の摂り過ぎに注意しましょう。
私自身は、ここ数年パン食をご飯に、料理に使っていた小麦粉をすべてオートミールに変えています。もともと甘いものは好きではないので、ケーキ類や焼き菓子はめったに食べません。麺類は好きなのでやめていません。
この程度のグルテンフリー生活ですが、便秘しなくなったことを実感しています。
ちなみに、パンやケーキが好きでやめられないのは小麦粉が依存性の高い食べ物だから。しばらくやめてみると、次第に魔法が解けて欲求は抑えられるそうです。
パンを食べたいと思うことはありませんが、たま~に美味しいフランスパンと卵サンドを美味しく、ありがたくいただいたりします(笑)
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