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腸活①―ヌルヌル、ネバネバ食品

更新日:2023年7月25日


暑さは厳しく、コロナ感染者も激増して、外出もままなりません。

冷房と外気の温度差や、ついつい飲んでしまう冷たい飲み物、運動不足などで体調を崩しやすい時期です。


こんな時期だからこそ、腸活です。

シニアに大切なセルフケアとして、私が積極的に押し進めている3活があります。

骨活、足活、腸活です。

骨活は以前のブログでご紹介し、足活はシニアヨガ、シニアピラティス、オンラインヨガで継続中です。

最後の腸活は、実は、ヨガでも度々話題にする免疫力を上げる要でもあるので、ずっと取り上げたいと思っていた企画でした。

腸活レシピも含め、数回にわたってご紹介したいと思います。

まずは、食生活の実践からスタートします。

好き嫌いもありますから、決して押し付けません。

今後の食生活の参考になればとの気持ちでご一読ください。


▶腸内フローラとは


私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息しています。その数は約1000種100兆個。

これらの多種多様な細菌がバランスをとりながら腸内の環境を良い状態にしています。

腸内に生息している細菌は、菌種ごとの塊となって腸の壁に張り付いています。

これを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と言います。


顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで品種ごとに並んで咲く「お花畑(英flora)」のように見えることから『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。


腸内フローラを形成している菌には、働きによって3つに分けられています。

私たちの身体を守る善玉菌(有用菌)、増えすぎると身体に悪影響がある悪玉菌(悪用菌)、そして状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする日和見菌です。


理想のバランスは、善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7。


日和見菌は7割を占め、善玉菌が優勢な状態であれば善玉菌につき、腸内で発酵活動を行います。

一方で、悪玉菌が優勢となれば、悪玉菌になびいて、腐敗活動を行います。

腸内環境を良好に保つには、日和見菌を善玉菌の味方につけることが大切なのです。


善玉菌と悪玉菌の種類の多くは7歳ぐらいまでの生活で決定されるようなのですが、その後も腸内細菌の種類、量は多くのさまざまな因子の影響を受けていると言われています。

なかでも、老化による自然現象は影響が大きく、例えば乳児期に100億個あったビフィズス菌(善玉菌)は、50~60歳には1億個ほど、100分の1に激減するそうです。


というわけで、腸活なのです。


腸活は単に便通改善だけでなく、免疫力アップ、老化予防、自律神経を整えたり、ストレスを軽減するなど、たくさんの効果をもたらしてくれます。


腸活のための戦略には、いくつかの方向性があります。

今回は、善玉菌を増やすことにフォーカスします。

大腸で発酵反応を起こすためには、善玉菌はもちろんのこと、そのエサになる食物繊維の存在が必須なのです。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、腸内細菌を増やすエサになりやすいのは、水溶性食物繊維です(食物繊維については、次回以降のブログで詳しく解説します)


水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。

そして、以下のような機能を持っています。

  • 善玉菌の住みやすさを改善 腸内を善玉菌の好きな弱酸性に

  • 善玉菌の栄養補給 自ら善玉菌のエサになります

  • 腸壁の強化 免疫力アップにつながります

  • 腸内の掃除 やさしく便を押し出して、スッキリ快適に

結果、腸内を活性化することで、さまざまな効果をもたらします。

小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えます。

また、血中のコレステロール値も低下させたり、高血圧を予防する効果もあります。

低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、生活習慣病の予防にも効果があります。


水溶性食物繊維が多く含まれる食品は、わかめ、こんぶ、めかぶ、もずくなどのヌルヌルしている海藻や、オクラ、山芋、長芋、つるむらさき、モロヘイヤ、納豆、なめこといったネバネバする食品。

わが家の食卓には、必ず上記の食品が1種類以上入った副菜があります。

今の季節はオクラが大活躍ですから、今回はオクラの少しユニークな活用法をお知らせします。


▶オクラ茶


オクラ100gには、食物繊維が5.0g含まれ、野菜の中でも上位の含有量です。

食物繊維は便の材料となり、便秘の改善に役立つだけでなく、腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境を整えてくれるのは、言うまでもありません。

また、血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロールを下げてくれたりする働きもあることから、食事のはじめにとることで効果が得られやすいと言われています。

オクラを使った料理は先に食べるといいでしょう。

オクラの栄養素をムダなく摂るためには、生で食べるか、栄養素が壊れすぎてしまわないように、加熱時間を短くすることがポイントです。


<材料>(2~3人分)

オクラ8~10本

緑茶 約500cc


<作り方>

①オクラを洗い、ヘタを切り落とす。

②容器に、切り落とした方を必ず下にして、常温もしくは冷えたお茶を入れ、ひと晩または6時間以上冷蔵庫に。オクラの水溶性食物繊維成分がお茶に浸出するのを待ちます。

食前に飲んで、必ず2日間で飲み干しましょう。

※水でもよいですが、少し青臭さが残ります。緑茶にすると少しトロッとした普通のお茶として飲めます。オクラの栄養素を壊すことなく水溶性食物繊維が摂れます。

※残ったオクラは、普通にお料理に使えます。

※普段からお腹がゆるい方は、飲み過ぎると下痢になる可能性がありますので、要注意。


▶残ったオクラの使い方



オクラ茶にして、残ったオクラは絶対に捨てません。

必ずお料理に使います。


ところで、オクラは加熱するより生の方が栄養素は壊れませんが、新鮮とれたては別として、生では青臭さが気になります。

お薦めは、加熱時間を60秒以内にすること。

そして、よりネバネバを摂りたいなら、先に輪切りに切ってから熱湯で50秒くらいゆでましょう。

残り物とは思えないほどの超ネバネバになります(写真参照)。

わが家では、これにめかぶや納豆、長芋、なめこなどのヌルネバ食品と混ぜて、薬味とほんのりだし醤油の味付けにしていただきます。

他にも、夏は冷ややっこに乗せたり、そうめんのつゆに入れたりしていただきます。

小分けにして、冷凍にしても大丈夫です。


<参考文献>

「自力で免疫力を上げる腸の教科書」(藤田鉱一郎著・宝島社)

「老化は腸で止められた」(光岡知足著・青春出版)

健康長寿ネット(腸内細菌叢とは)






 

 



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